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オリジナル版『さらば』や『2』、PSゲーム版、最新の2202でも、反逆覚悟で地球を飛び出していくヤマト(ヤマト出奔)と、それを制止し、翻意させようとする防衛軍上層部との駆け引き(ヤマト追撃戦)は、間違いなく序盤の見どころの一つでしょう。
最新のリメイク作である宇宙戦艦ヤマト2202でも、大筋はオリジナル版のそれを守りながら、細部では過去作品とは異なるアレンジが多数取り入れられました。
今回の記事では、そんな序盤の名シーンについて戯言を連ねてみようと思います。
さて、2202においてヤマトの出奔が成功した理由は何でしょう?
最大且つ主体的要因として挙げられるのは勿論『ヤマトクルーの団結と意思』ですが、間接的な外的要因として、大きく三つの要素が挙げられると思います。
1)防衛軍上層部の消極性
2)関係者のサボタージュ
3)ガミラスの外交的圧力
個人的な想いとしては、どれかが抜け落ちていても円満な出奔は成功しなかったと思いますし、よしんば出奔には成功したとしても、地球(というより防衛軍上層部)とは袂を分かつことになっていたでしょう。
また、これら三つの要素は相互に影響しあっていて、影響を増幅させているというのも重要かと思います。
もう一つ『テレサの祈り』・・・・・・ってのも入れようかと思いましたが、そういうのは守備範囲外なのでやめときましたw
まずは1)についてですが、出奔を図るヤマトに対して、常に防衛軍上層部(芹沢と言うべきか)は最小の戦力しか投入しなかった点が目を引きます。
①ヤマトに向かわせた保安部隊(特殊部隊)
②ヤマトを砲撃可能なポジションに配置変更された戦闘衛星(1ユニット)
③追撃してきたアンドロメダ(単艦)
①については、当初は芹沢がスタンドプレー的に(藤堂さんにも無断で)部隊を動かした雰囲気があるのと、芹沢がヤマトクルーの叛乱をどのタイミングで確信したかという要素(緊急即応可能な部隊はどうしても限られる)があるので、一先ず置いておきます。
しかし②と③は、ヤマトクルーの叛乱意思確定から実際に戦力が必要になるまで、それなりに時間がありました。
常識的対応なら、②の状況では近傍に存在する有人艦艇をできるだけ集めてヤマトの進路上に配置、停船と投降を求めるべきでしょう。
ヒューマンファクターによる不測事態の発生確率は高くなりますが、ヤマトクルーに対するプレッシャーは無人の戦闘衛星とは比べ物になりませんし、2202世界にその程度の戦力展開が可能な艦艇が存在するのは第一章で示されています。
また、仮にそうして配置した艦艇がヤマトの突破を許したとしても、付かず離れずでの追尾は可能ですので(ヤマトの位置は追尾艦によって常に把握される)、次のアクションは断然取りやすくなります。
また、最後に追撃を行ったアンドロメダにしても、演習には新世代艦艇ばかり19隻も参加しているのに、何故アンドロメダ単艦での追撃だったのでしょうか?(旗艦以外は練度が決定的に不足していたから、とか言ってはいけませんw)
それらを考え合わせると、防衛軍上層部の懸念がおぼろげながら見えてきます。
防衛軍上層部としては、地球を救った英雄であるヤマトを敵に回すかもしれないという状況に対し、将兵の士気と統率を危ぶんだのかもしれません。
『ヤマトを止めろ』という命令に対して、命令された艦に不服従どころかヤマトに同行・同道なんてされた日には目も当てられませんし、命令を出した防衛軍上層部の体面と権威も地に落ちます。
その点、戦後の防衛軍再建方針やガミラスとの同盟に基づく国防方針に対して、防衛軍将兵にヤマトクルーたちと同様の不満が少なからず存在していることを、防衛軍上層部も認識はしていたのでしょう。
結果、ヤマトの確保・鎮圧に投入された戦力は、特殊部隊や無人の戦闘衛星、全軍旗艦といった防衛軍司令部直属であったり掌握容易な最小の戦力単位(人員)に限られたのかもしれません。
でもまぁ、これって完全に『所要に満たない戦力の逐次投入』なので、純戦術的には上手くいく訳がないですよねw
長くなりましたが、続いて二つ目の要素『関係者のサボタージュ』に行ってみます。
これは、映像本編よりも、皆川ゆかさんの小説版でこそ強く感じられた要素ですね。
小説版では、入院中の新見さんの警護(監視)担当の保安要員が、表向きは慇懃な態度で任務をこなしつつも、裏では真田さんに対してそれとなく便宜を図ってくれますし、ヤマトクルー多数を運んだ退役艦キリシマの操艦は、平田の左遷先の若手たちが行っていたそうです。
個人差はあるとは思いますが、2199での状況からすれば、皆多かれ少なかれ『ヤマトに救われた』という感謝の念を持っているのは当然のことでしょう。
脱走同然の旅立ちにも係らず、ヤマトにそれなり以上の武器弾薬や各種装備(小は当座の食料品や医薬品、大は航空機まで)が搭載されたのは、そうした数多くのサボタージュ(便宜)があってこそだと思います。
正直、そんな事でもなければ、数百人が乗艦する大型戦艦を実働させるに足る膨大な物資や資材(改装用資材は別)は到底集積できまないでしょう。
余程の確信犯(南部グループの一部は絶対確信犯だと思うw)を除けば、直接的・積極的な協力者は少ないと思いますが、出奔を決意したヤマトクルーが原隊から資材や装備を持ち出す際に、昼行燈を決め込んで見て見ないふりをした程度の“協力者”は相当数いたんじゃないでしょうか。
また、これは完全に私の妄想ですが、ヤマトの制圧を命じられた保安部隊の指揮官も、そうした消極的協力者だったのではないかと思っています。
そうでもないと、保安部隊の一見稚拙とも取れる行動の説明がつきません。
まだ部隊による包囲も完了していないのに、ドッグのコントロールルームを爆破して自分たちの存在を誇示するとか、それなのに、あんなに目立つ場所にあるサブコントロールは無視するとか、一度は拘束した島を簡単に解放してヤマトに乗せちゃうとかw
確かに藤堂さんからは『殺し合いは絶対不可』と命じられていますが、いやだからこそ、相手の態度を激しく硬化させる可能性のある爆破という手段には慎重であるべきでしょう。
それに、コントロールルーム爆破の時点では、まだ保安部隊の存在は気取られていませんから、コントロールルームは物理的制圧とドック内設備の制御システム掌握に留め、自らの存在が露呈するまでは、ヤマトに取り付いて艦内へ通じるハッチを一か所でも多く確保し、隊員を一人でも多く艦内に潜り込ませるのが常道だと思います。
そして島w
いくら島に『芹沢副指令の特命を受けている(小説版より)』と主張されたとしても、その命令の真偽を確認せずに装備と行動の自由を与えるなんて普通は考えられませんw
しかも、島はヤマトの幹部乗員ですから、身柄確保の優先度は高く設定されている筈ですし(最優先は真田さんと古代でしょう)、本人が特命だと主張しているからって、簡単に信じちゃいけませんよね(^^;)
それら全てを考え合わせると、保安部隊指揮官は『あえて下手をこいた』のではないかと思えてきます。
この手の部隊はガミラス戦役中は暴徒鎮圧に引っ張りだこだったでしょうから、戦後3年程度であれば練度は相当高いと思うんですよね。
ただ、『方舟』では斉藤ら空間騎兵隊が暴徒鎮圧や保安任務にあたっていましたから、今回登場した部隊が戦後になって新たに編成された新設部隊で、保安任務を精鋭の空間騎兵から引き継いで間もないという可能性もあります。
であれば、指揮官も部隊も単に練度と経験が不足しているだけという可能性もありますが、できれば“あえて”見逃したことにして欲しいなぁ・・・・・・。
それと、先ほど言及したアンドロメダ単艦での追跡ですが、部隊指揮官である山南さんの判断という可能性もありますね。
ヤマト追跡の命令を受けた山南さんに投入戦力のフリーハンドが与えられているのであれば、ここでもやはり“あえて”そうしたとも考えられます。
もし山南さんが一隻でも僚艦を随伴していたら、同様の戦術状況であったとしても確実にヤマトは止められていたでしょうし。
随分と寄り道が過ぎましたが、ようやくの事で三つ目の要素、ガミラスによる干渉です。
2202におけるヤマト出奔は、ガミラス――というよりバレルによって裏で筋書きが書かれたと言っていいくらい要所で影響を与えています。
個人的には、何故そこまでバレル(=ガミラスなのかも気になります)がテレサに拘るのかの方に興味がありますが――そんな美味しそうなネタは後日改めて扱いましょう(笑)
冗談はさておき、バレルが藤堂さんへホットラインや大統領への直談判以外にも、様々な外交圧力をかけたのは間違いないと思います。
地球とガミラスの同盟関係は対等を謳いつつも、実態としては圧倒的な国力差・軍事力差からガミラスが無形の優位を有しているのは確実でしょうから、揺さぶりの効果は絶大です。
あるいは、地球軌道(戦闘衛星)や木星圏(アンドロメダ)でのヤマト追撃に、地球防衛軍上層部がそれ以上の戦力を投じ得なかったのも、先に述べた将兵の士気といった理由以外に、ガミラスからの圧力があったのかもしれません。
私がバレルなら、『ガミラス大使館と、ガミラスが一部所有権を有している時間断層の安全を確実なものとする為に、機動戦力たる艦隊は徒に(いたずらに)動員しない』ことを“同盟国として強く要請”します。
何しろ、直前に地球防衛軍は本星(地球)防衛の要である内惑星艦隊まで根こそぎ動員して浮遊大陸基地奪還作戦に投入、カラクルム級の本星到達を許してしまったという『失態』があります。
その事をやんわりと指摘されたら、防衛軍としても艦艇を派手に動かしにくくなるのは確実です。
そしてそれは、ヤマトの逃走を間接的に支援するだけでなく、ヤマトの行動を追認させる為の政治工作を完遂する上で、何よりの時間稼ぎになります(実際にそうなりました)。
思った以上に長い記事になってしまいましたが、書けば書くほど強く感じるのは、全長300メートルを超える巨大戦艦が軍の命令系統を離脱して勝手に飛び出すのも、それでいて事後に軍との関係を円満に修復するってのは非常に難しい――あけすけに言えば、常識的には不可能という事です。
しかもこの時のヤマトは大改装の直後で、試験航海やシェイクダウンもなく、加えて乗員たちがヤマトを扱うのも3年近いブランクがありました。
また、出奔のタイミングも周辺環境が自らにとって有利になる時期を慎重に観察した上で決定したものではなく、殆ど衝動的に決定されています。
にも係らず、ご自慢の主砲は初弾から全弾命中し、重大なメカトラブルもなければ一人の人死にも出さないまま出奔を成功させたばかりか、出奔元の地球防衛軍との関係まで修復してしまいました。
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これを図抜けた幸運というのか奇跡というのか・・・・・・。
そう思ったところでふと思い出しました。
第二章でヤマト追撃を終えた山南さんは『偶然さ』と笑い、第三章でガイレーンは大帝にこう告げました『テレサの祈りに偶然の介在する余地はない』と。
つまりは――そういうことなのでしょう。
なんともまぁ、ダラダラとした長文を書いた割には締まらない結論ですがw
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宇宙戦艦ヤマト2202 メカコレクション 宇宙戦艦ヤマト プラモデルバンダイバンダイ
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宇宙戦艦ヤマト2202 ヤマト型一番艦 宇宙戦艦ヤマト 第一次改装型 1/1000スケール 色分け済みプラモデルバンダイバンダイ
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小説 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち (2)むらかわ みちお,西崎 義展KADOKAWA
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アニメ『宇宙戦艦ヤマト2202』オリジナル・サウンドトラック vol.1ランティスランティス
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最新のリメイク作である宇宙戦艦ヤマト2202でも、大筋はオリジナル版のそれを守りながら、細部では過去作品とは異なるアレンジが多数取り入れられました。
今回の記事では、そんな序盤の名シーンについて戯言を連ねてみようと思います。
さて、2202においてヤマトの出奔が成功した理由は何でしょう?
最大且つ主体的要因として挙げられるのは勿論『ヤマトクルーの団結と意思』ですが、間接的な外的要因として、大きく三つの要素が挙げられると思います。
1)防衛軍上層部の消極性
2)関係者のサボタージュ
3)ガミラスの外交的圧力
個人的な想いとしては、どれかが抜け落ちていても円満な出奔は成功しなかったと思いますし、よしんば出奔には成功したとしても、地球(というより防衛軍上層部)とは袂を分かつことになっていたでしょう。
また、これら三つの要素は相互に影響しあっていて、影響を増幅させているというのも重要かと思います。
もう一つ『テレサの祈り』・・・・・・ってのも入れようかと思いましたが、そういうのは守備範囲外なのでやめときましたw
まずは1)についてですが、出奔を図るヤマトに対して、常に防衛軍上層部(芹沢と言うべきか)は最小の戦力しか投入しなかった点が目を引きます。
①ヤマトに向かわせた保安部隊(特殊部隊)
②ヤマトを砲撃可能なポジションに配置変更された戦闘衛星(1ユニット)
③追撃してきたアンドロメダ(単艦)
①については、当初は芹沢がスタンドプレー的に(藤堂さんにも無断で)部隊を動かした雰囲気があるのと、芹沢がヤマトクルーの叛乱をどのタイミングで確信したかという要素(緊急即応可能な部隊はどうしても限られる)があるので、一先ず置いておきます。
しかし②と③は、ヤマトクルーの叛乱意思確定から実際に戦力が必要になるまで、それなりに時間がありました。
常識的対応なら、②の状況では近傍に存在する有人艦艇をできるだけ集めてヤマトの進路上に配置、停船と投降を求めるべきでしょう。
ヒューマンファクターによる不測事態の発生確率は高くなりますが、ヤマトクルーに対するプレッシャーは無人の戦闘衛星とは比べ物になりませんし、2202世界にその程度の戦力展開が可能な艦艇が存在するのは第一章で示されています。
また、仮にそうして配置した艦艇がヤマトの突破を許したとしても、付かず離れずでの追尾は可能ですので(ヤマトの位置は追尾艦によって常に把握される)、次のアクションは断然取りやすくなります。
また、最後に追撃を行ったアンドロメダにしても、演習には新世代艦艇ばかり19隻も参加しているのに、何故アンドロメダ単艦での追撃だったのでしょうか?(旗艦以外は練度が決定的に不足していたから、とか言ってはいけませんw)
それらを考え合わせると、防衛軍上層部の懸念がおぼろげながら見えてきます。
防衛軍上層部としては、地球を救った英雄であるヤマトを敵に回すかもしれないという状況に対し、将兵の士気と統率を危ぶんだのかもしれません。
『ヤマトを止めろ』という命令に対して、命令された艦に不服従どころかヤマトに同行・同道なんてされた日には目も当てられませんし、命令を出した防衛軍上層部の体面と権威も地に落ちます。
その点、戦後の防衛軍再建方針やガミラスとの同盟に基づく国防方針に対して、防衛軍将兵にヤマトクルーたちと同様の不満が少なからず存在していることを、防衛軍上層部も認識はしていたのでしょう。
結果、ヤマトの確保・鎮圧に投入された戦力は、特殊部隊や無人の戦闘衛星、全軍旗艦といった防衛軍司令部直属であったり掌握容易な最小の戦力単位(人員)に限られたのかもしれません。
でもまぁ、これって完全に『所要に満たない戦力の逐次投入』なので、純戦術的には上手くいく訳がないですよねw
長くなりましたが、続いて二つ目の要素『関係者のサボタージュ』に行ってみます。
これは、映像本編よりも、皆川ゆかさんの小説版でこそ強く感じられた要素ですね。
小説版では、入院中の新見さんの警護(監視)担当の保安要員が、表向きは慇懃な態度で任務をこなしつつも、裏では真田さんに対してそれとなく便宜を図ってくれますし、ヤマトクルー多数を運んだ退役艦キリシマの操艦は、平田の左遷先の若手たちが行っていたそうです。
個人差はあるとは思いますが、2199での状況からすれば、皆多かれ少なかれ『ヤマトに救われた』という感謝の念を持っているのは当然のことでしょう。
脱走同然の旅立ちにも係らず、ヤマトにそれなり以上の武器弾薬や各種装備(小は当座の食料品や医薬品、大は航空機まで)が搭載されたのは、そうした数多くのサボタージュ(便宜)があってこそだと思います。
正直、そんな事でもなければ、数百人が乗艦する大型戦艦を実働させるに足る膨大な物資や資材(改装用資材は別)は到底集積できまないでしょう。
余程の確信犯(南部グループの一部は絶対確信犯だと思うw)を除けば、直接的・積極的な協力者は少ないと思いますが、出奔を決意したヤマトクルーが原隊から資材や装備を持ち出す際に、昼行燈を決め込んで見て見ないふりをした程度の“協力者”は相当数いたんじゃないでしょうか。
また、これは完全に私の妄想ですが、ヤマトの制圧を命じられた保安部隊の指揮官も、そうした消極的協力者だったのではないかと思っています。
そうでもないと、保安部隊の一見稚拙とも取れる行動の説明がつきません。
まだ部隊による包囲も完了していないのに、ドッグのコントロールルームを爆破して自分たちの存在を誇示するとか、それなのに、あんなに目立つ場所にあるサブコントロールは無視するとか、一度は拘束した島を簡単に解放してヤマトに乗せちゃうとかw
確かに藤堂さんからは『殺し合いは絶対不可』と命じられていますが、いやだからこそ、相手の態度を激しく硬化させる可能性のある爆破という手段には慎重であるべきでしょう。
それに、コントロールルーム爆破の時点では、まだ保安部隊の存在は気取られていませんから、コントロールルームは物理的制圧とドック内設備の制御システム掌握に留め、自らの存在が露呈するまでは、ヤマトに取り付いて艦内へ通じるハッチを一か所でも多く確保し、隊員を一人でも多く艦内に潜り込ませるのが常道だと思います。
そして島w
いくら島に『芹沢副指令の特命を受けている(小説版より)』と主張されたとしても、その命令の真偽を確認せずに装備と行動の自由を与えるなんて普通は考えられませんw
しかも、島はヤマトの幹部乗員ですから、身柄確保の優先度は高く設定されている筈ですし(最優先は真田さんと古代でしょう)、本人が特命だと主張しているからって、簡単に信じちゃいけませんよね(^^;)
それら全てを考え合わせると、保安部隊指揮官は『あえて下手をこいた』のではないかと思えてきます。
この手の部隊はガミラス戦役中は暴徒鎮圧に引っ張りだこだったでしょうから、戦後3年程度であれば練度は相当高いと思うんですよね。
ただ、『方舟』では斉藤ら空間騎兵隊が暴徒鎮圧や保安任務にあたっていましたから、今回登場した部隊が戦後になって新たに編成された新設部隊で、保安任務を精鋭の空間騎兵から引き継いで間もないという可能性もあります。
であれば、指揮官も部隊も単に練度と経験が不足しているだけという可能性もありますが、できれば“あえて”見逃したことにして欲しいなぁ・・・・・・。
それと、先ほど言及したアンドロメダ単艦での追跡ですが、部隊指揮官である山南さんの判断という可能性もありますね。
ヤマト追跡の命令を受けた山南さんに投入戦力のフリーハンドが与えられているのであれば、ここでもやはり“あえて”そうしたとも考えられます。
もし山南さんが一隻でも僚艦を随伴していたら、同様の戦術状況であったとしても確実にヤマトは止められていたでしょうし。
随分と寄り道が過ぎましたが、ようやくの事で三つ目の要素、ガミラスによる干渉です。
2202におけるヤマト出奔は、ガミラス――というよりバレルによって裏で筋書きが書かれたと言っていいくらい要所で影響を与えています。
個人的には、何故そこまでバレル(=ガミラスなのかも気になります)がテレサに拘るのかの方に興味がありますが――そんな美味しそうなネタは後日改めて扱いましょう(笑)
冗談はさておき、バレルが藤堂さんへホットラインや大統領への直談判以外にも、様々な外交圧力をかけたのは間違いないと思います。
地球とガミラスの同盟関係は対等を謳いつつも、実態としては圧倒的な国力差・軍事力差からガミラスが無形の優位を有しているのは確実でしょうから、揺さぶりの効果は絶大です。
あるいは、地球軌道(戦闘衛星)や木星圏(アンドロメダ)でのヤマト追撃に、地球防衛軍上層部がそれ以上の戦力を投じ得なかったのも、先に述べた将兵の士気といった理由以外に、ガミラスからの圧力があったのかもしれません。
私がバレルなら、『ガミラス大使館と、ガミラスが一部所有権を有している時間断層の安全を確実なものとする為に、機動戦力たる艦隊は徒に(いたずらに)動員しない』ことを“同盟国として強く要請”します。
何しろ、直前に地球防衛軍は本星(地球)防衛の要である内惑星艦隊まで根こそぎ動員して浮遊大陸基地奪還作戦に投入、カラクルム級の本星到達を許してしまったという『失態』があります。
その事をやんわりと指摘されたら、防衛軍としても艦艇を派手に動かしにくくなるのは確実です。
そしてそれは、ヤマトの逃走を間接的に支援するだけでなく、ヤマトの行動を追認させる為の政治工作を完遂する上で、何よりの時間稼ぎになります(実際にそうなりました)。
思った以上に長い記事になってしまいましたが、書けば書くほど強く感じるのは、全長300メートルを超える巨大戦艦が軍の命令系統を離脱して勝手に飛び出すのも、それでいて事後に軍との関係を円満に修復するってのは非常に難しい――あけすけに言えば、常識的には不可能という事です。
しかもこの時のヤマトは大改装の直後で、試験航海やシェイクダウンもなく、加えて乗員たちがヤマトを扱うのも3年近いブランクがありました。
また、出奔のタイミングも周辺環境が自らにとって有利になる時期を慎重に観察した上で決定したものではなく、殆ど衝動的に決定されています。
にも係らず、ご自慢の主砲は初弾から全弾命中し、重大なメカトラブルもなければ一人の人死にも出さないまま出奔を成功させたばかりか、出奔元の地球防衛軍との関係まで修復してしまいました。
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そう思ったところでふと思い出しました。
第二章でヤマト追撃を終えた山南さんは『偶然さ』と笑い、第三章でガイレーンは大帝にこう告げました『テレサの祈りに偶然の介在する余地はない』と。
つまりは――そういうことなのでしょう。
なんともまぁ、ダラダラとした長文を書いた割には締まらない結論ですがw
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