さてさて、第七章の公開から一週間が経過しましたので、ここからはネタバレ有りで行きます。
私なりの感想としましては、非常にありきたりですが『全体として十二分に面白かったし、感動もした』でしょうか。
少なくとも、第一章から約二年間、ずっと見続けてきた甲斐はあったなぁという満足感と共に、これで遂に完結かぁという寂寥感も覚えました。
2202には開始当初から賛成と反対が分れる様々な要素があり(と言っても、実際は中立的な立場の方が最も多かったと思います)、加えて、第六章終了時点では『本当に第七章だけで完結するのか?』という意見も見受けられました。
しかし、それらの懸念や伏線、懸案の大半(全部とは言っていない)はきれいに畳まれ、物語として見事に収斂していたと思います。
また、その賛否が分かれた要素にしても、(もし作られるとしたら)後のシリーズに影響を残さないようにしっかりと整理・精算されている点もさすがと思いました。
オリジナル版の第一作をかなり忠実にリメイクしたとされる2199にしても、エンディング時点での設定はオリジナル版とは異なってしまった点が幾つもありました。
封印されたヤマトの波動砲やイスカンダルで死んでしまった古代守、大きな破壊を免れたガミラス本星、デスラーの扱いなどが主たる部分でしょうか。
もっともデスラーについては少し事情が特殊で、2199でのデスラーの立ち位置・キャラクターに対する批判は、オリジナル版でもより後作(さらば以降)のキャラ設定から逆算された印象なので、注意が必要ですが。
実際、オリジナル版第一作単独でのデスラーの扱いは、2199よりももっと酷いくらいですw
さて、そんなヨタ話はともかく、オリジナル版「さらば」や「2」とは別物じゃないか!という非難を散々に受けてきた2202ですが、大変皮肉なことに、そのラストは2199以上にオリジナル版(『2』直後や『新たなる』開始前)に近くなっている気がします。
・ヤマトの帰還(ラストの姿は最終決戦仕様ではなく第一次改装後の姿)
・ヤマトの主要生存/死亡乗員はほぼオリジナル版のまま
・森雪の記憶が“完全に”戻る
・“波動砲問題”の 棚上げ(皆で背負っていく)
・デスラーの生存と復権(タランは弟のみ存在)
・ガミラス星(ガミラス大帝星)は僅かな寿命しか残されていない
・ガトランティス帝国の完全消滅
・時間断層の消失
・復興した地球と再建されつつある月
・地球軍事力の空洞化(艦はあっても乗る人がいない)
特に、これまでこのブログでも散々に文句を言ってきた(笑)、ガトランティスのバカみたいな物量については、『滅びの方舟』にのみ許容されたチート手段であり、方舟が消滅し、人造生命たるガトランティス人が完全死滅(文字通りの意味で)したことで、『宇宙規模で発生した一過性的な異常災害』として片づけられたことも大きいです。
その点では、地球側のチート手段としてフル活用された時間断層の消失も同様ですね。
これらの顛末により、もし次回作があったとしても、こと物量スケールについては、2202のような天文学的規模ではなく、2199の時のような常識的規模へのスケールダウンが可能となりました。
「――散らかしたものね」
奇しくも最終話の冒頭で銀河艦長がそう言うのですが、これって制作側の気持ちも含まれてるのかな?と思ったり。
つまり、2202ではこれまでのヤマト世界の常識やルールみたいなものを大きくひっくり返して、あれこれと大胆なことをやったけど(散らかしたけど)、最後は跡を濁さず、きれいに片づけていくよ、みたいな。
その点、第七章のキーワードになった『未来を掴め』はともかく、第二章で使われた『正しい未来』、七章で真田さんや生還した山本が言った『未来も元の流れに戻る』、山南さんの『もうみんな気づいてるんだ』で始まるセリフも、作中での意味とは別に、よりメタ視点での意味合いも含んでいたんじゃないかなと思ったりしています。
そして最終的に、本来のヤマト世界でのあるべき未来(後継作品)が無理なく制作可能な環境を最終話で整え直したよ――そんな事を伝えられた気がしてなりませんでした。
もちろん、仮に後継作品が作られたとしても、それがどのような作品、どのような作風になるかは現時点では全く不明ですし、そもそも後継作品が作られないことだってあり得ます。
しかし、最終話でテレサが「何でもありえた、何でもありえる」と古代に述べているように、全ては“可能性”な訳で、『作られる』/『作られない』にしても、作られた際の作風が2199風になるか、2202風になるか、よりオリジナルに近い風になるか、はたまたこれまでとは全く別の――と、可能性はそれこそ無限です。
そうした、未来への可能性を少しでも大きくする為に、障害となり得る2202独自の大胆な要素の清算と環境の再調整を含めた最終話だったんじゃないかなと個人的に解釈しています。
その点、イスカンダルから供与されたコスモリバースは、2199のみならず2202においても、その最終局面において“環境”を復元するのに使われたことになりますねw
以上、全てが私の勘違いである可能性も極めて高いですが、少なくとも私にとっては制作陣のオリジナル版への敬意と未来への展望を開くという姿勢を強く感じることができた2202のフィナーレでした。
とりあえず今日はこんなところで。
いやー、作品の本質とかメカ設定的な部分に触れられず、申し訳ありません(^^;)
そのあたりは、次回以降に・・・・・・あ、きっと作品の本質とかに触れるのは私には無理だw
宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第七章(セル版)小野大輔,桑島法子,鈴村健一,大塚芳忠,赤羽根健治メーカー情報なし
小説 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち (4)むらかわ みちお,西崎 義展KADOKAWA
宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち -全記録集- 設定編 上巻 COMPLETE WORKSKADOKAWAKADOKAWA
宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち -全記録集- 設定編 下巻 COMPLETE WORKSKADOKAWAKADOKAWA
OUT 宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 特集号 (カドカワムック 775)KADOKAWAKADOKAWA
アニメ『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』オリジナルサウンドトラック vol.2ランティスランティス
【早期購入特典あり】『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』主題歌集+オリジナルサウンドトラック vol.2 (全2枚セット) (セット購入特典:A4クリアファイル)ランティスランティス
宇宙戦艦ヤマト2202 メカコレクション 地球連邦主力戦艦 ドレッドノート級セット 1 プラモデルBANDAI SPIRITS(バンダイ スピリッツ)BANDAI SPIRITS(バンダイ スピリッツ)
宇宙戦艦ヤマト2202 メカコレクション 地球連邦主力戦艦 ドレッドノート級セット 2 プラモデルBANDAI SPIRITS(バンダイ スピリッツ)BANDAI SPIRITS(バンダイ スピリッツ)