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Channel: 我が家の地球防衛艦隊
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『星巡る方舟』でゲルバデス級はなぜ警務艦隊に配備されていたのか?

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見栄えがするから。
『新たなる旅立ち』のオマージュ

すみません、ええ、ここから真面目に書きます(笑)
以前、現代人さんのコメントに対するレスに、自分なりの考えを書いたことがありますが、少し時間ができたので、ちゃんとした記事にしてみることにしました。

ゲルバデス級というと、概ね以下のような言葉と共に語れることが多いと思います。

 ・航空戦艦
 ・単艦での長距離・長期作戦に適している
 ・高性能を目指したが、結果的には中途半端な性能の艦になった
 ・高価(同規模の通常艦の約2倍)
 ・1番艦(ダロルド)は長らくドック入りしていた
 ・少数建造に終った

警務艦隊というのは基本的に内線部隊な訳で、その組織の特性上、味方より極端に前へ出るような――敵勢力圏に大きく踏み込むような――ことはあまりありません。
その点で言えば、本級の建造目的(単独・長距離・長期任務)と警務艦隊への配備は全く合致しない訳で、端的に言えば宝の持ち腐れと言えます。
それ故に、建造隻数が非常に少ないと言われる本級が2隻も集中配備されていたのには“見栄え”以外の理由がちゃんとある筈・・・・・・てか、そう考えたいところですよね(笑)

私個人の考える理由は、本級は当初予定された性能を満たすことができず、単独の長距離任務や外征任務から外されたのではないかというものです。
1号艦ダロルドが長期間ドックから出られなかったのも、その性能未達事項の改善が図られていたからではないかと。
具体的な未達事項ですが、思いつくのは機械的信頼性(つまりは故障しやすい)か、速度性能ですね。
少なくとも直接戦闘能力に関しては七色星団やシャンブロウを巡る戦いでも、問題の気配は全く見られなかったですし。

最初に挙げた速度の点に関しては、本級が敵勢力圏内における単独任務(威力偵察や通商破壊)を行うには、少なくとも本級を砲力で圧倒するような戦艦級艦艇からは余裕をもって逃げられる“足”が必須です。
といっても、巡洋艦や駆逐艦ほどの速力までは不要ですが。
これらが相手の場合は、本級の方が火力で圧倒してしまえるからです(本級がそれくらいの火力を有していることは『星巡る方舟』劇中でも証明されています)。
本級に求められた速力を過去の洋上艦艇で例えるなら、駆逐艦34ノット、巡洋艦32~34ノット、戦艦22~27ノットというような相対能力の中で、30~31ノットの速力を求められたような感じでしょうか。
この要求に対して、完成したゲルバデス級は戦艦と同程度の速力(25ノット程度?)しか発揮できなかったのかもしれません。
この場合、敵勢力圏で単独活動するのは危険です。
同程度の速力を有し、砲力では圧倒されてしまう戦艦が複数で追跡に回った場合、孤立無援のまま追い詰められる可能性が高いからです。

続いて、機械的信頼性の方はどうでしょう?
どれほど立派で高価な艦も、故障していては性能は十全に発揮できず、仮に重大故障が敵地において単独航宙中に発生した場合、無為に艦と乗員を失うばかりか、最悪敵国に艦と技術を奪われてしまう可能性すらあります。
その点を考えると、『怖くて敵地には(単独では尚更)出せない』というのが実態だったのかもしれません。
これに対し、内線部隊に配備するのであれば、活動するのは自軍勢力圏内ですから、重大故障が発生しても味方に救援を求めることも容易ですし、小まめに自軍根拠地で整備保守しながらの運用も可能です。



以上、仮説(妄想)として挙げた速力と機械的信頼性、どちらが妥当性が高いでしょうか?
個人的には速力の問題を推したいですね。
その根拠は、ダロルドが七色星団会戦時の緊急動員にちゃんと対応できていること、シャンブロウ会戦でバーガーがメガルーダ追撃をヤマトに任せたことです。
もし機械的信頼性が低いのであれば、緊急出撃のような対応は難しいでしょうし、もしゲルバデス級の速力性能に自信があるのであれば、メガルーダ追撃は自艦で行うという選択肢もあったと思います(作劇面はともかく)。
今のところそんな予定はありませんが、もし私がゲルバデス級の設定妄想を書くのであれば、本級の不調の原因は速力として書く気がしますね。

ついでなので、ゲルバデス級の配備について、もう一つ異なるアプローチもしてみたいと思います。
『警務艦隊』という組織が、ガミラス軍内でどれほどの発言権(組織内における順位)を有しているかです。
ガミラスの組織図を見ると、警務艦隊はキーリング参謀総長麾下の国防軍参謀本部直属部隊のようです。
参謀本部に並び立つ組織として航宙艦隊と中央軍があり、それぞれディッツとゼーリックが所管しています(いました)。
もしキーリングがディッツやゼーリックの風下に立つ人物なら、その麾下組織である警務艦隊の立場も弱い可能性があります。
もし警務艦隊が他部隊・他組織ほどの発言権を有さない場合、実戦部隊が受領を嫌がった装備や艦を厄介払い的に回されるなんて可能性もありそうです。
先ほどは本級不調の原因として速力を推しましたが、逆に信頼性の低さに原因があった場合には、実戦部隊にそれが嫌われ、結果的に警務艦隊にゲルバデス級が集中配備される――なんてこともあり得るかもしれませんね。


『ゲルバデス級の将来性』



さて、七色星団では全く良い所のなかったゲルバデス級ですが、アケーリアスの遺産――シャンブロウをめぐる戦いでは、ハーロック化(笑)したバーガーのキャラクター補正もあって、ミランガルが鬼神のような強さを発揮しました。
また、この戦いでは航空作戦と空間打撃戦が同時並行で行われ、本級の持つポテンシャルがフルに発揮されることにもなりました。
更に、本会戦ではガミラス軍事史上初めて地球軍(国連宇宙軍)との協同戦闘が行われ、しかも協同対象はゲルバデス級に類似した特性を有するヤマトでした。
特にヤマトは、ガミラスに与えた少なくない直接損害と巨大過ぎる影響から、暫くの間、ガミラスの艦艇設計思想に強い影響を及ぼす可能性は決して低くないと思います。

ヤマトの持つコンセプト『単独・長期作戦行動可能』『砲戦能力と航空作戦能力の両立』『大威力砲(波動砲)装備』の内、ゲルバデス級が根本的に欠けているのは『大威力砲』だけです。
であれば、ゲルバデス級の現状の問題点を改善することで、今度こそ単独・長期作戦行動能力を確保し、更に大威力砲を搭載することで“準・ヤマト型”を狙った改設計艦が計画される可能性もあるかな?なんて思ったりしました(もちろん、そんな贅沢極まる艦が建造されるとしたら、政変後のガミラスに相応の余裕がないといけませんが)。

で、この改設計艦に搭載される“大威力砲”ですが、波動砲(デスラー砲/ゲシュ=ダールバム) はイスカンダル王国との兼ね合いもあるので難しいでしょう。
であるならば・・・・・・シャンブロウが飛び去った後の宙域に、クルクル回転しながら漂っている大砲があるんですけど、あれを捕獲すれば・・・・・・なんて(笑)
また、撃沈扱いのミランガルも、粉々に爆発したりはせず、完結編ヤマトばりに(w)綺麗に真っ二つになっているので、これをサルベージして改装艦を作るのもありかな、とか。

などと色々と下手な考えを捏ね繰り回してみましたが、いかんせん私の予想は『当たらない』ことで有名(?)なので、ここだけの話として聞き流して下さいませw

小説 宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟豊田 巧マッグガーデン
宇宙戦艦ヤマト2199 艦艇作例集 “星巡る方舟”編ホビージャパンホビージャパン
宇宙戦艦ヤマト2199 (6) (カドカワコミックス・エース)西崎 義展,結城 信輝,宇宙戦艦ヤマト2199製作委員会KADOKAWA/角川書店

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