妄想ついでにもう一つ。
第二次内惑星戦争末期から戦後すぐにかけては、地球・火星双方に様々な戦場伝説が生まれてそうだなぁとも思いました。
火星軍が不利な戦況を逆転すべく、極秘裏に超巨大宇宙戦艦を建造している・・・とか、いやもう実際に配備されていて、一週間前に消息を絶った○○○戦隊は、それにやられたらしい・・・とか、技術レベルに勝る敵に対する地球側の恐れと戦局の逆転を願う火星側の願望が絡み合うことで、様々なフー・ファイターを戦場のあちこちに生み出しそうな気がしますね。
このあたりを上手く使えば面白い二次作品も作れそうです。
うーん、さすがに古代守は絡められませんけど、立ち位置や艦名の点で言えば、ア○カ○ィア号ネタとかすごく使いやすいですよねw Image may be NSFW. Clik here to view.
お誂え向きに、D級はガトランティス戦役時に複数の艦が連携してのトランスワープ(アンドロメダ級にD級二隻が重力アンカーで接続してワープしていたアレです)を数限りなく行っています。
つまり、複数艦での同調ワープが可能で、その経験まで豊富に有している訳です。 Image may be NSFW. Clik here to view.
拙作「火星沖2203」用にご提供いただいたHARUさんのCG。大量のA+D級がトランス(同調)ワープに入ります
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本級の波動砲口はフレキシブルに可動する外筒と内筒からなる二重構造を有し(ダブル・ベクタードマズル)、外筒と内筒の間隙に高密度の変更フィールドを発生させつつ可動させることで、艦の姿勢を変更することなく波動砲のビームを偏向させることが可能であった。
従来型の固定式砲口でもバウスラスターを用いた艦の姿勢制御によって波動砲発射前であれば射線の変更が可能だが、波動砲発射時には安全上重力アンカーで艦を固定する必要があり、射線と射角の変更はほぼ不可能であった。
しかし本級は、ベクタードマズルによって従来艦では不可能な射角変更が可能であり、大威力且つ長射程の収束モードにおいて圧倒的な掃射(スイープ)性能を有していた。
本機能の搭載は第十一番惑星に来襲したガトランティス帝国前衛艦隊の物量と、そこで実行された特殊な戦術に原因があった。第十一番惑星に殺到したガトランティス軍の総数は250万隻超という常軌を逸した戦力であり、その殆どが全長500メートルを超える大型戦艦カラクルム級だった。そして、そんな彼らが採った戦術も異様極まりなかった。
250万隻のカラクルム級は全長数千キロメートルにも及ぶ長大な円筒型陣形を敷くと、十一番惑星近傍に設置されていた人工太陽をエネルギー源とした超大直径レーザー砲――レギオネル・カノーネ――での地球砲撃を企図したのである。
本作戦は十一番惑星救援のために急行したBBY-01宇宙戦艦ヤマトの機転で阻止されたものの、ガトランティス軍が今後も同様の作戦を発起した場合への備えが必要と考えられた。
波動砲艦隊が装備する拡散波動砲は面制圧効果の高い優秀砲であったが、それでも数千キロメートルにも及ぶ重厚な艦列を射抜くには効果範囲が全く不足していた。本課題に対して時間断層AIが導き出した回答こそ、ダブル・ベクタードマズルを用いた収束波動砲のスイープ砲撃だった。強固且つ長大なカラクルム級の縦深を貫くには大威力の収束モードでなくてはならず、更に収束モードのウィークポイントである面制圧効果を最大化するには射線偏向が絶対に必要だったからだ。
対レギオネル・カノーネ兵器として極めて有効と考えられたベクタード・マズルだが、結果的に他の地球艦艇への装備は見送られた。開発完了がガトランティス戦役末期であったことに加え、当時の時間断層工廠は一隻でも多くの波動砲搭載艦艇を前線に送り出すべく限界を超えたフル稼働を続けており、そんな中での波動砲システムの変更は工程の混乱と製造効率の低下をもたらすとして不採用とされたのである。また、ガトランティス戦役後にも新規建造艦へのベクタード・マズル搭載が再び議論されたが、今度は平和主義を標榜する戦後の地球の外交方針が足を引っ張り、「過剰装備」としてまたしても不採用とされている。
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その特異な外観と可動式波動砲口に注目されることの多い本級であるが、開発と建造にあたっては固有のプロジェクトネーム――「L計画」――が与えられていた。
L計画と対をなす計画として、ヤマト型三番艦「銀河」が任を務めた「G計画」がある。G計画とは、“GENE”の頭文字が意味するとおり、ガトランティス帝国侵攻により人類が滅亡した場合に備えて地球人の遺伝子を保存する「種の保存計画」であった。本計画のルーツがガミラス戦役時の「イズモ計画」であったことはあまりにも有名だが、ランダルミーデ級に与えられた「L計画」にはひな型となる計画は存在しない。
L計画の「L」は“LIBERATION”の頭文字とされており、ガトランティスによる占領後の地球奪還と解放を企図した計画だった。
G計画とL計画の並立は、ガトランティス軍による第十一番惑星への大規模侵攻が、地球人類に種の保存と地球の被占領を覚悟させるほどの衝撃を与えた証左だったと言えるだろう。
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すなわち、ランダルミーデ級の本質はガミラス領域内のガミラス式工業設備で急速建造可能なアンドロメダ級の確立に他ならなかった(その点で言えば、先に述べた偏向式波動砲の開発は副次的な目的に過ぎない)。
本級は、大は砲熕兵器から小は装甲材質の分子的組成に至るまで徹底的に既存のガミラス規格に基づいて設計されており、設計データさえインプットすれば無改造のガミラス式工廠で直ちに建造が可能だった。
本級はアドバンスドステージ中最多の四隻が若干の時間差をつけて建造開始され、量産性と効率検証のためにそれぞれが異なる建造方法と工程順序で建造されている。このため、内部構造において四隻には多少の違いがあったが、外観やスペックの差は殆どない。但し、先行して建造される前番艦のデータが得られる分、後番艦ほど艦としての完成度は高かったと推測される。
ランダルミーデ級は短期間の公試と実戦においてオリジナルのアンドロメダ級と同等の性能を示した。更に、ガミラス工廠惑星での建造を想定したシミュレーションにおいては、オリジナルを建造する場合に比して工期は1/2、建造費は艤装品の大半が既にガミラスで大量生産されているものを流用できたことから2/3にまで低減可能という結果が得られた(加えて、オリジナルのアンドロメダ級をガミラスの工業惑星で建造するには、建造設備自体にも大規模な改造が必要だった)。
幸いにも、ガトランティスによる地球占領という最悪の状況――本級が真価を発揮したであろう状況――は遂に発生せず、本級の建造は試験建造艦四隻のみで打ち切られたが、ガトランティス戦役後も唯一残存した四番艦(一から三番艦は戦没)と本級の設計データが戦後ガミラスに譲渡されている。
なお、本級の建造はガミラス側の了承を得ずに実行されており、更に主砲には当時は未だ存在が秘匿されていたデウスーラⅡ世級のものが流用されているなど、ガミラスにとって本級は目を疑うような存在であった。戦役中、地球に対して様々な外交的・軍事的便宜を図ったローレン・バレル大使も本級の存在が初めて伝えられた際には不快感を隠さず、時間断層工廠の実質的な管理責任者だった芹沢統括司令副長官に遺憾の意を示したとされる。
そうした経緯もあり、設計データの提供を受けたガミラスにおいて本級が新規建造されることはなく、それどころか譲渡された四番艦を含め存在自体が半ば無視された状態に置かれた。
しかし――そうした状況も長くは続かなかった。
2205年から開始されたガルマン独立戦争において、ガミラス軍は思わぬ苦戦を強いられた。本星を喪った上に大・小マゼランの広大な領域からの移民作業を並行して行っているガミラス軍は正面戦力が著しく不足しており、物量戦を旨とするボラー連邦軍に押しまくられる局面が度々発生していたからだ。
そんなガミラス軍において、圧倒的戦力を誇ったガトランティス軍を長期に渡って押し留めた拡散波動砲が再評価されたのは半ば必然だった。急ぎ装備化が模索され、今すぐにでも建造が可能なランダルミーデ級にも注目が集まったが、最終的にガミラス軍が選択したのは彼女ではなかった。
より建造が容易な「ドレッドノート級ガミラスメイド」が選択されたのである。
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また、本級固有の装備として、CRSを地球独自にコピーしたシステムが搭載された。しかし、あまりに高度なイスカンダルの技術で作り上げられたCRSの解析は困難を極め、その実態はリバースエンジニアリングと呼ぶにも値しなかったとされる。
当然、コピー(疑似)システムにオリジナルが持つ惑星環境再現性能など望むべくもなく、限定的な波動エネルギーの遠隔制御機能がその能力の全てであった。とはいえ、近距離であれば他艦の次元波動エンジンを賦活化させることができる能力は、銀河の護衛艦として考えた場合、極めて有用だった。元より強力な銀河の波動防壁を更に強化することはもちろん、銀河の波動エンジンを賦活化することで防壁展開可能時間を数倍化することができたからだ。
本級にはA級前期建造艦群と同型の波動砲搭載も検討されたが、銀河の生存性向上には攻撃力よりも防御力の強化が効果的であるとして、本級二隻ともにCRSのコピーシステムが搭載された。
この“疑似”CRSシステムの改良は本級完成後も継続され、後にアスカ級補給母艦に「波動共鳴導波装置」として装備されることになる。 Image may be NSFW. Clik here to view.
この発言シーンは、公開当時の映画本編ではカットされたものの、後に公開されたディレクターズカット版で初めて盛り込まれた。
真田二佐が語ったとおり、本作戦後に白色彗星は進撃を一時停止していた。アンドロメダによる重力源の破壊に続き、アマテラスによって防御フィールドを突破されたことは、ガトランティス帝国にとっても衝撃は大きかったらしく、防御フィールドが機能を完全に復元するまで白色彗星は前進を控えたのである。
そしてこの時、地球防衛軍が発動していたもう一つの作戦――宇宙戦艦ヤマトによるトランジット波動砲攻撃作戦は思わぬ躓きと遅れをみせていた。銀河から部品を譲り受け、緊急修理と改装を完了させたヤマトであったが、その前にアベルト・デスラー前ガミラス総統が立ちふさがったからだ。
最終的にデスラー前総統は矛を収めて撤退し、更にトランジット波動砲発射時の膨大な輻射熱からヤマトを守るために御座艦――ノイ・デウスーラが提供されたものの、タイムテーブル上、ここでの作戦遅延は致命的の筈だった。事実、ヤマトが地球沖にワープアウトした時点で、ガトランティス帝国は地球連邦に全面降伏勧告を行っており、ヤマトの到着があと僅かでも遅れていれば連邦政府は降伏を受諾するか、勧告を拒否あるいは黙殺した結果として国土と市民を徹底的に殲滅されていた可能性が極めて高い。
つまり、アンドロメダ級後期建造艦群による作戦で白色彗星の足止めが叶わなかった場合、ヤマトは決定的瞬間に間に合わず、更には滅びの方舟を消滅させることもできなかったと考えられるのである。
その点では、アンドロメダ級後期建造艦群と彼女たちの奮戦もまた「大いなる和」を構成する一部であり、決して欠くことのできない存在だったと言えるだろう。 Image may be NSFW. Clik here to view.