さてさて。
第四章に鳴り物入りで登場しました機動甲冑(正式名称:2式空間機動甲冑)ですが、その活躍が主役たるヤマトを食ってしまう程(笑)だったこともあって、『強すぎる』『ほぼモビ〇スーツ』『コスモタイガーいらんやん』等の意見も散見されます。
この機動甲冑、第四章パンフレットによると、空間騎兵隊の斉藤がガミラス戦役時の苦い経験から“航空機と装甲戦闘車量の利点を融合した一人乗りの兵器”として開発したと説明されています。
といっても、実際に斉藤がデスクで設計作業を行ったとは思えませんので(笑)、開発を強く推したり、コンセプトやアイデアの提示、できあがったデザインに対してのチェックやコメントが主だと思います(もし試作機が出来上がっていたら、その試験も当然担当しているでしょう)。
とはいえ、十一番惑星みたいな辺境の地に、そんな開発設備と人員が存在するのかという気がしなくもないですが、仮に実機(試作機)製作にまで至らなかったとしても、コンセプトの熟成とコンピューター上のデザイン(設計)・シミュレーションくらいまでであれば、それほど大規模な設備も人員も不要だと思います。
また、正式名称に『試製』という文字がなく、『2式』と採用年も示されていることからも、少なくとも十一番惑星から開発データか試作機が地球に送られ、採用試験が行われたと想像できますね。
第四章で登場する機動甲冑はヤマト艦内で製造されたと説明されており、その設計・製造資料は十一番惑星で回収したと考えるのが自然ですが、あるいは地球防衛軍の正式兵器として予めヤマト艦内工場のデータバンクに登録されていたか、改めて地球からデータを送信してもらったという可能性もあると思います。
逆に言えば、機動甲冑は既に地球でも量産されていそうです。
第四章に登場した機動甲冑の主要な武器装備はヤマトや艦載機のものが流用されていましたが、これはヤマト艦内での製造に適したローカライズ(設計変更)という可能性もありそうですね。
その点、もしメカコレで機動甲冑が発売される事になったら、製造場所ごとのマイナーチェンジモデルとかを作られる方もおられるかも。
ではここで一旦、話を最初の開発コンセプトに戻しましょう。
『航空機と装甲戦闘車両の利点の融合』というコンセプトですが、つまり多少大げさに言うと『空飛ぶ戦車』を作ろうってことですよね。
現代の地球で『空飛ぶ戦車』にあたる兵器を挙げるとすれば、米軍の地上攻撃機A-10や対戦車攻撃ヘリAH-64シリーズとかになると思います。
これらの機体の特徴は、マッハ2くらい出して当たり前の戦闘機と比べると時速300~700km程度と圧倒的に劣速ですが、その分、地上部隊や装甲車両を攻撃する為に、低空・低速域での機動性(小回り)と火力に秀でています。
当然、本職の戦闘機と普通に空中戦を行ったら殆ど勝ち目はありませんが、戦闘機が至近・低空・低速といった特殊な状況にあったりすると、先に挙げた攻撃機や戦闘ヘリでも撃墜できるどころか、むしろ有利になることすらあるでしょう。
2202劇中、ワープブースターで多数の機動甲冑が突入していった戦場は、まさにそんな状況だったと思います。
突入ポイントは、テレザートと蓋状の巨大岩盤の間の極めて狭い空間で、尚且つガトランティス艦隊が密集している状態でした。
高速発揮可能な戦闘機であっても、自由自在にスピードを出せる場所ではありません。
むしろ、そこそこの速度で機敏に機動できる(小回りの利く)機動甲冑にとって独壇場のような戦場だったと思います。
もし逆に、空間障害物などの戦闘機の高速機動を阻害する要素のない戦場で、機動甲冑が戦闘機と対戦した場合、戦闘機が遠距離からのミサイル攻撃や高速を活かした一撃離脱に徹すれば、機動甲冑は戦闘機にいいようにやられてしまいそうです。
その点、機動甲冑と航空機とでは、機動特性も想定される運用環境も異なっていますので、あっさり『コスモタイガーいらんやん』とはならないと思います。
それどころか、何も遮るもののない宇宙空間を機動甲冑が目標エリアまで前進しなければならない時は、CT隊に護衛してもらうか、主翼上に載せてもらってフェリーされるでしょうね。
フェリーといえばこんな使い方もありますか。
ヤマトの甲板上に仮設陣地を構築して、機動甲冑を固定砲台代わりに配置、防空能力と近接火力を向上させるなんて運用もありかもしれません。
・・・てな感じで調子よく書いちゃいましたが、2202の世界では戦闘機が人型機動兵器よりも速度性能に優れるって前提自体は、あまり根拠がないですけどねw
ただ劇中で、斉藤は機動甲冑の装甲の薄さと出力不足を嘆いているので、薄いながらも装甲というデッドウェイトを有し、出力も不足しているとなれば、当然速度性能はあまり高くないだろうという想像は、それほど無理がないと思います(え?モビル〇ーツはヒコーキより圧倒的に機動性がある?そんな、人類が光速突破できない時代の作品のことなんて知りませんw)。
地上戦や対要塞戦を除き、宇宙空間でこの機動甲冑を有効に使うとすれば、探知されにくい場所(小惑星帯とか)での奇襲攻撃やゲリラ戦ですかね。
小さな島が入り組んだ島嶼エリアでの魚雷艇みたいな感じでしょうか。
あとは、地球側が航空攻撃する側で、敵に対して圧倒的に戦力や打撃力が不足しているなら、先ほど書いたCTの主翼上に載せて敵艦隊至近まで運び、そこで一斉に展開、一種の攻撃機として敵艦隊に殴りこませるのも手かもしれません。
その場合、速度性能に違いのあるCT隊と機動甲冑を同時に敵艦隊の中に飛び込ませると衝突や誤射の可能性もあるので、CT隊は機動甲冑にとっての天敵である敵戦闘機の誘引と牽制に徹し、艦隊攻撃は火力に優れる機動甲冑が担当するという分担にした方が、混乱が少なくていいかもしれませんね。
とりあえず今日はこのくらいで。
明日は第五章での戦闘について少し妄想してみたいと思います。
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